いま、いちばん新しい事例です。

東海道と中山道が接する宿場町、草津で株式会社クオリティライフを経営しています。
クオリティライフのホームページを見ると、「事業内容」として次のように書かれています。
ライフプラン、資産運用のご相談、保険診断、リスクマネジメント、企業の売上、業績アップ支援、セミナー等の企画、開催。
一般的には「保険代理店」と呼ばれる存在です。
が、同社のお客さまにうかがうと、クオリティライフのことをこんなふうに教えてくれます。
「事業承継でお世話になっています」
「百年企業をつくりたいと思っていまして、能登さんと一緒に、どうすれば百年企業創りができるかを考えています」
「相続がやっかいでして、能登社長は親身になってくれるので助かっています」
いいことかどうか、ほとんどの人が保険の話をしません(笑)
おそらく、能登さんは保険の話をしていないのでしょう(笑)
だから、でしょうか。
保険を契約するお客が増えています。
まだあります。能登さんが滋賀の経営者に人気ある理由が。
「ハガキはどれくらい書いていますか?」と気軽に尋ねたのですが、
答えを聞いてびっくりしました。
「年賀状や暑中見舞いは含まないで、年間3000枚くらいでしょうか」
No.45の寺島先生も月に300枚くらい書いています。
No.46の能登社長もまた、ハガキを楽しんで書いています。
競争相手が多いあなたにおすすめの事例です。
〈ダイジェスト〉
サラリーマン時代に使命感を感じたことと出会う。収入が減ることを承知で転職する。お客によりふさわしい商品を提供したいと願い、さらに転職。
いずれ定年を迎える働き方では生涯、お客との関係性を深めることができないと思い、独立。天職に行き着いたと実感し、経営者人生を歩み始める。
多くの創業者に見られる生き方ですが、「お客が増える!No.46」の主人公、株式会社クオリティライフの能登清文社長も、同じ道を歩いてきました。
サラリーマンなら、全員がうらやましいと思うに違いない一流企業に勤め、30歳でそんなに高いの!と驚くに違いない年収をもらっていた能登さんですが、父親の死をきっかけに、まったく畑違いである保険業界に入ります。
能登さんを取り巻く人々全員に反対された転職です。がんばらないわけにはいきません。
しかし、さほど気負う必要はありませんでした。保険営業という仕事は向いていたのでしょう。お客にも恵まれました。辞めた会社は超一流。能登さんを買ってくれる人が大勢いました。
同期社員ではトップの成績で新人時代を終えます。
父親が亡くなったあと、母親が安心して元気に暮らしていけることを願うのと同様、自分の近くにいる人たちが豊かな老後を暮らせるお手伝いが実現できました。
しかしひとつだけ願いどおりに進まないことがあります。保険会社一社に属していたのでは、必ずしもお客に最適な提案ができないのです。
そこで、現在に至る「クオリティライフ」を設立すると同時に、複数の保険商品を扱える代理店にも所属することで、豊富な商品からお客にもっともふさわしい提案ができるようになりました。
だからでしょう。能登さんはさらにお客本位の仕事を望みます。お客の生涯パートナーとして、お客とともに人生を送るには、完全に独立する必要があるという思いに至ったのです。
平成19年(2007年)2月、株式会社クオリティライフ代表として独立を果たします。
重要なのは独立後の経営であることは能登さんに限りません。起業したものの、思うようにいかない…こんなはずじゃなかった…と市場から消えていく会社や店がほとんどです。
しかし能登さんは違いました。世間で言うところの保険代理店であるクオリティライフの仕事は、保険を売ることではなく、お客の人生目標を達成するためのお手伝いが使命であると定義づけたことで経営のあり方が他社とは異なり、お客が増え続けているからです。
そこから生まれた戦略は一貫性のあるものでした。
- 対象の幅が広くなりがちな生命保険の営業において、中心客層を経営者に設定。
- 客層に合致した「業績アップ支援」「事業承継」のサポートが実質的サービス商品。
- 経営を通してお客のライフプランを応援し、見守るために保険を手段とした資産運用のお手伝いも重点商品。
- 保険金や給付金を自分の手でお客に渡すために草津市を中心とした滋賀県を業務範囲エリアに設定。
- お客の会社が永続するためのお手伝いが仕事の目的ゆえ、営業活動は経営状態を尋ねたり、事業承継や相続について質問したり、お客の話を聞いたりすること。
- お礼はハガキ。感謝の気持ちを表すにはハガキ。伝えるために継続。
- 同友会や倫理法人会など経営者の集まりに参加し、役員を務めることで経営者から話を聞かせてもらうことが最善の勉強方法であり、商品力と位置づけ。
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独立後5年間は休みなく長時間労働に徹し、6年目から週一日は戦術から離れる時間を設定。
特別変わったことを考えているわけでも実行しているわけでもありません。同業他社に対して競争意識を抱いているわけでもありません。中心客層を決めて、客層に合った商品に絞り、お客に不便をかけない範囲で動き、営業の仕事は売ることではなく聞くことだと決めているだけです。
能登さんにとっては自然体。優れた戦略であることは間違いありませんが、独立以来お客が増え続けている最大の理由は、仕事に対する思いの強さを維持し続けていることにありそうです。
保険セールスに携わる人のレポートは、年収の高さや営業戦術上のテクニックに注目したものが多いのが現状ですが、このレポートは、能登清文さんの思いがどのようにつちかわれ、行動に表れてきたかを書き記した物語です。
お客が増える経営には、戦略とともに強い願望、目標を抱き、目的や戦略が重要であることを読み取っていただけるレポートです。


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