業種は無関係。「経営のやり方」が重要です。

〈ダイジェスト〉

倒産危機を乗り越え業績好調

木村工業
道路を掘り起こし、水道管のメンテナンス工事をおこない、道路を埋め戻す。「水道管メンテナンスの施工管理」の現場は本来、私たちにとって見慣れた光景のひとつです。

道路上の工事をおこなう場合、できるだけ支障のないように夜間に実施されることがほとんど。どんな仕事もそうですが、見えないところで社会に貢献してくれる人たちがいるのは、心強く、ありがたいものです。

株式会社木村工業は、上水道施設の維持管理と、土木工事を中心とした公共工事を請け負う会社です。水道工事が7割弱、2割は下水道工事と道路の維持管理という割合です。

1969年(昭和44年)、木村晃一社長の父親が創業し、2007年(平成19年)、木村社長が2代目として受け継ぎました。
木村工業 新聞記事
社長交代時は、公共工事が減少するなか、木村工業も従来からの工事売上を落とします。銀行による貸し渋り、貸しはがしもあり、自転車操業を余儀なくされます。

利益は出ているのに銀行返済の負担が大きく、黒字倒産を覚悟した木村社長ですが、受注を増やし、評価を向上させるために社内改革に乗り出します。

経営全般を見直すなか、木村社長が大きなウエイトをおいたのは人材育成でした。

社員の質を上げることが、結果的に木村工業の格を維持させ、次なる入札に結びつきました。工事における実績と評価が高く、「技術点評価方式」という建設業界独自の評価制度において、毎年、高い評価をもらってきました。

前年度の実績が豊富で評価が高いから、入札が有利。落札できて工事を多数請け負うから、さらに実績が増え、高い評価を維持できるという好循環を繰り返してきました。

リーマンショック後、同業者が淘汰されるなか、受注件数も金額も減らすことなく好業績を維持しています。
社員が高いレベルの技能工として育つのは、身につけるべき技術が絞られているからです。それは、とりもなおさず木村社長が自社の得意領域を設定しているからであり、特定分野の工事に競争力を持っていることを示しています。

今後は民間工事の需要を増やすつもりの木村工業ですが、経営環境の影響を大きく受けると言われている業種であっても、経営のやり方しだい、人材育成のやり方しだいで、好業績をコントロールできることを証明している事例です。
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