業種は無関係。「経営のやり方」が重要です。

〈ダイジェスト〉

勉強の成果、お客が2倍以上

山下商店
「1000件あった同業者が、いまでは260件ほどに減りました」
そう教えてくれるのは、名古屋市熱田区で鉄リサイクル業を営む、
有限会社山下商店、山下良太郎社長です。

1000件を数えた金属スクラップ会社が、バブル景気の破綻後、700件に減りました。さらにリーマンショックにより350件に。そこから個人商店が次々と立ち行かなくなり、300件くらいにまで減少したというのです。

減ったのは同業者の数だけではありません。山下商店のお客も、少なくなりました。
2008年秋のリーマンショックにより、全体の2割が減りました。そのうえ、生き残ったお客であっても、採算が合わなくなった先が続出したことで、最終的に6割ほどに減ってしまったからです。

しかし、その危機を救ったのが、営業地域の見直しと営業方法の見直しによる活動でした。本格的に取り組んでから数年かかりましたが、6割にまで減った客数が、2倍以上にまで増えたのです。

その方法は、決して華やかなものではありません。むしろ地味。鉄くずを始めとした金属をもらい受け、選別し、資源として販売。毎日がその繰り返しです。
取り組んだのは営業範囲を決め、市場を調査し、定期発行物を届け、ハガキを継続して出すこと。その繰り返しです。

山下商店 広告
山下良太郎社長は言います。
「鉄スクラップの同業者は、『うちはあの機械を持っている』とか『この重機を持っている』とか設備にお金をかけますが、お客さんって、設備を見て仕事をくれるわけじゃありません。お金をかけるにしても、他社と同じことに同じかけかたをしていたのでは、まったく差別化になりません。他社と違うところにお金をかけるか、もしくはお金をかけずに他社がやっていないことをやるか。そのどちらかだと思うし、僕は、その両方に取り組んできました。どの会社も地域戦略などやりません。鉄スクラップ会社でニュースレターを発行するところなどない。だからお客さまが増えたし、減らないんだと思います」

経営の勉強を始め、地域戦略に取り組む前のシェアは数パーセントでした。6、7年後には十数パーセントにまで上がりました。
どんな経営環境だろうと、勉強しだい、やり方しだいでお客が増えることを教えてくれる事例です。
 

山下良太郎通信


>>トップページに戻る