〈ダイジェスト〉
常連客を大事にするから続く
<スウィートハンズ>
病気になった父親を助け、繁盛する店を手伝うため、今回の事例の主人公、上地広喜さんは『メンズヘアサロン レオン』で働き始めます。
店に立つことが少なくなった父親に代わり、上地さんはリーダーシップを発揮します。黙々とがんばる母親を助けるためにも、新しい方針にもとづき、新しい店に変えていこうと努力する毎日。
ところが従業員はついてきてくれません。誰もが、何を言っても従ってくれません。なぜなら、先代の言っていること、やっていることと違うからです。
やがて、気づきます。上地さんのそれまでの経験そのものがひとつの知識、知恵、教えであり、上地さんをとりまくすべての人が先生であると理解します。
2代目はどうあるべきか。店を引き継ぐとはどういうことか。それを考え続けるようになってから状況は変わりました。
先代が他界して数年が経った現在、自分が考え、口にしていることは「先代が思い、言い続けていたことと同じ」だと言います。
一軒の床屋が、理容室2店と美容室3店に増え、さらに、美容室を卒業したスタッフによって運営するフォトスタジオまでできました。
現在のスタッフは総勢45人。オープン時は近隣にポスティングを繰り返しますが、その後は新規開拓をしなくてもお客が増える経営を持続しています。
「来てくれたお客さまを大事にする気持ちと、志、ビジョンと戦略があれば、働く人にとっても、お客さまにとっても理想的な店はできます」
そう言う上地社長にとって、「お客」とはどういう存在なのかを尋ねると、次のように話してくれました。
そう語る上地広喜社長を取材したのが、この「お客が増える!No.70」です。
上地さんに話をうかがうと、2代目のあり方を考えさせられます。先代の言ってきたこと、やってきたことを素直に引き継ぐ経営が最善であると再認識します。
お客をつくり、お客が増える経営を先代が実践してきたことが、最善であることを裏づけます。
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